イタリアのパン

PANE – イタリアのパン

パンでなくパーネ

イタリア語で「パン」は”Pane”と書いて「パーネ」と言います。
複数でも変化なしで、1つでも2つでも10個でも100個でもPane(パーネ)。

小さい丸パンやコッペパンのようなサイズになるとPanino(パニーノ)。ハムなどを挟んでサンドイッチにしたものもPanino(パニーノ)。この場合は複数形があって、2つ以上だとPanini(パニーニ)になります。

ついでに「パン屋」というと、Panificio(パニフィーチョ)。パンやピザ、クッキーなどの小麦製品のほか、ハム類や乳製品、缶詰、パスタなども売っています。未だコンビニエンスストアというものが存在しないこの国。パン屋は人々の生活において非常に重要な存在です。

パーネ・トスカーノとは

さて、フィレンツェを中心としたトスカーナ地方の話ですが、レストランなどで出てくるパンを食べた人は「んっ!?」と思ったかもしれません。イタリア人でも知らない人は「あれっ?」と思うようです。一般的な“食事パン”と比べると何だかもの足りない、どうにも頼りない味。なぜなら「塩」が全く入っていないのです。

トスカーナの塩なしパン。これは古くからの伝統だそうで、理由としてはその昔(1100年とか)、ピサの斜塔で有名なピサとフィレンツェが対抗意識を燃やしていた頃、ピサの衆がフィレンツェの衆に「降参しなければピサの港に入ってくる塩を回さないよ!」と言ったところ、フィレンツェは「降参するくらいなら塩なしでパンを作ってやらあ!」となって今に至る、、とか、フィレンツェでは塩の値段が高かったから、、だとか、いくつかの説があるようです。とにかく、そのためかどうか知りませんが、トスカーナ料理は生ハムをはじめ、どれもこれも塩気が効いている(ような気がする)。結局、この塩なしパンがよく合います。

当然ながら、トスカーナ地方といっても、自分でパン屋に買いに行くときには選択肢があります。

スタンダードな食事パンなら、Pane pugliese(パーネ・プリエーゼ)=プーリャ地方のパンが一般的。塩なしパンが嫌な場合、「Pane salato(パーネ・サラート=塩気のある)」と頼むと、大抵このパーネ・プリエーゼが出てきます。もちろん、このほかにも全粒粉やトウモロコシ、スペルト小麦を使ったもの、バゲット、、などいろいろとあり、陳列台にずらりと並んでいるのですが、トスカーナでは、やはり塩なしパンのバリエーションが多いので、新しいものを試すときには、その都度、「Salato?(サラート?)」と確認してから買うようにしています。


イタリアのパン粉

イタリアのパン粉

ついでに「イタリアのパン粉」について。
イタリアではパン粉というと、どれも粒が細かい。実際、こちらのパンは数日でカチカチに硬くなってしまうので、乾燥したものをチーズおろし器などでガリガリとおろせば、サラサラの砂粒のようなパン粉になります。ただし、このパン粉を使って揚げ物をしても、日本風の衣がサクサクしたトンカツや海老フライのようにはなりません。

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上の写真は、行きつけの肉屋で勧められて買ってみた下ごしらえ済のパン粉付き牛肉。

薄い肉をオリーブオイル、レモン、オレガノでマリネし、パン粉をまぶしたもので、肉を使ったレシピ開発が趣味のおかみさんが「最近の人は皆ダイエットしてるから」ということで考案した、揚げなくてもよいカツレツです。そのままオーブンか、フライパンで焼くだけでよいとか。

ちなみにこの場合、パン粉が黄色っぽいのはトウモロコシ入りのパンが混ざっているからだそうです。

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